『U-31』(1)*1

先日相方と話をしていたときに、ふと、私はサッカーは結局表面を指先でなぞることしか出来ないので、色々日記に書くのを止めようかなと思っていたんですが、別に他の事だって表面的なことしか無いじゃん! と思ったので、結局は思ったことをダラダラ書いている方向のままにします。
んで、ちょっと前から読みたかった『U-31』の1巻を初めて見かけたので、早速購入。W杯日本代表アトランタ世代の選手を題材に書かれたコミックで、私自身は確か週刊文春かなんかの広告で初めて知ったんですが、いや、抜群に面白かった。この作品の主題になっているラインが丁度タイムリーだとか、まぁそんなこともありますが、私自身はその試合の様子を描いた場面で、試合の最中を現在とした表現ではなく、後のインタビューを介して試合を描いているところが本当に面白くてびっくり。
私自身はライトサッカーファン(そんな表現はないだろうが)なので、全試合をエアチェックするよりもウェブやTVでハイライトだけを流すニュースだったり、たまに気が向いて買うサッカー雑誌の記事だったりでJ1の試合について知ることが殆どなんですが、スタジアム観戦しなかった試合で、中継も無いような試合についてドキュメントタッチで書かれた記事を読んで理解することと、実際にこの作品で映像化されたそれがとてもマッチしていて、集中線や流線で表現されるスピード感や汗や描線のblurで感じる臨場感だけではない手法を手に入れたスポーツ漫画なんだなぁと思って、その点に非常に感心した。(最近のサッカーマンガ自体を読んでいないので、もしかすると他にも沢山有るのかもしれないけれど)
少年誌のスポーツ漫画にある、主人公や登場人物の感情や肉感に共感するのとは違う、マスコミというメディアのフィルタを通じて客観的に表現された試合のシーンを差し込むことで、作品の冷静さというか知的さというか、ともかく主題に対してのアプローチが上手いよー! と普通に思ったので、タイトルや絵柄やレーベルやそんなことに構ってないでともかく読んどきなよ! と言いたいわけです。
お、久し振りにふつーに褒めちぎってしまったですよ。