トリック3

今までの話題とは一切関係がないように見えるが、「ゲイフォビア」からとあるゲイのページにたどり着き(そこ自体は既知だったわけですが)、トリックで金髪刑事(石原達也)役をしていた人が急に変わったよなぁとおもったら、それを演じていた前原一輝さんが引退していたことを知る。あー、なるほどねー……以下、引退コメント(元のドキュメントは既にないため、孫引用ですが)

ファンの方々へのメッセージ

今まで応援して下さった方々へご報告させて頂きたい事がございます。
前原一輝」として約8年間、この芸能の世界で頑張ってきました。その8年の中で素晴らしいスタッフと出会い、
素晴らしい作品に携わる事が出来、素晴らしい先輩との出会いの中で役者という貴い仕事が出来た事、
全て独りの力では成しえなかった事だと思っています。
本当にたくさんの方々に助けられ、支えられてここまでやってくることが出来ました。
そして何よりも前原一輝を応援して下さった皆様に心から感謝しています。
これからの前原一輝に期待して下さっていた方々に対し、文面でのご報告は失礼とは思いますがお許し下さい。

私、前原一輝は平成15年4月30日をもちまして芸能界から引退させて頂くことに致しました。
ご報告が遅れてしまいましたが、悩み、考えた末に、引退という答えを出しました。
そもそも私はこの仕事を始めるにあたり、「役者」も生活を支える上でのひとつの「職業」だと考えておりました。
しかし仕事をこなしていくにつれて、「役者」というのは生活の手段にはならないということに気が付きました。
たぶん、人生そのものなのでしょう。当初考えていた人生設計からすると、
一定の糧を得ることよりも「役者」のみに没入していくこの世界に少しずつ違和を感じ始め、不安にさいなまれるようにもなってしまいました。
もちろん私なりにこの仕事を選んだ以上貫こうと自分に言い聞かせ、努力してきたつもりですが、
自分を取り巻く現実の生活に目を向けなければならなくなりました。
その葛藤にあった時、「壁」が邪魔をして前に進みづらくなった時、くじけそうになった時、
常に前原一輝を応援して下さっている方々からたくさんのお手紙などを頂きました。
出演した作品の感想、舞台上の私への励ましの数々、そのお手紙に勇気付けられ、支えられ、なんとか前に進むことが出来ました。
どんな言葉も陳腐になってしまう程感謝でいっぱいです。

しかし、自分が自分であることを私はどうしても優先したいと考えて今回の決断に至りました。
この8年間で皆様から頂いたもの、多くの人々に出逢えた事、全て私の思い出は今、素晴らしい財産となりました。
少なからず人間として成長させてもらったとすればこの歳月のおかげです。
前原一輝を今まで本当に本当にありがとうございました!!」
今までの世界とは違う別の世界が今私の前に開けていますが、どこにいても一人の人間として輝き続けることは忘れない。
このことを学んだつもりです。これだけは一番大切にして、これからの人生を着実に歩んでいきたいと思います。

お詫びと心よりの感謝に代えて
平成15年5月14日

前原 一輝